東北大学
東北大学大学院教育学研究科・教育学部 Graduate School of Education/Faculty of Education, TOHOKU UNIVERSITY

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報告書_博士論文執筆援助事業_東北大学教育学部同窓会


博士論文執筆援助事業は、東北大学教育学部同窓会仙台支部による寄付金を元に、東北大学教育学部同窓会(本部)より東北大学大学院教育学研究科に拠出された基金によるもので、教育学研究科の大学院生が博士論文執筆のための調査、出張等を行う場合に、そのための印刷、郵送費及び交通費等を援助し、円滑な博士論文執筆活動を促進することを目的としたものです。(詳細は募集要項をご覧ください。)
以下には、教育学部同窓会より博士論文執筆援助を受けた方々の報告書を掲載しています。(※報告者の所属、学年等は報告時のものです。)
報告書_博士論文執筆援助事業_東北大学教育学部同窓会

2019(令和元)年度

浅沼 千恵 / 人間形成論コース・博士課程後期
論文テーマ:
近代中国における学校行事の形成と展開―清末民初の学校運動会を中心に―
援助を希望した活動内容:
近代中国における衛生教育の導入と日本の影響についての資料調査。
発表題目:近代中国衛生教育的導入和日本的影響
活動の成果:
申請者は、博士論文執筆を目的とし、清未中国の衛生教育についての資料調査を行ってきました。清未民初期に出版された『申報』をはじめ、The North-China Daily News、Review of Times、『教育世界』などのメディアを調査し、約90年分の関連記事の整理と統計を完成しました。
上記の作業によると、博士論文の第二章の第4節に当たる身体改造と衛生教育の導入に関して、数種類の教科書を入手し、清末期に日本を視察した官僚の日記に加えて、より明確で上質な論文の完成を目指すことができると思います。今回の調査結果をまとめて、2019年度の中央研究院明清国際研討会で発表することになりました。
博士論文執筆援助をいただき、心より感謝いたします。

2017(平成29)年度

松本 恵美 / 人間発達研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
児童期・青年期における仲間関係の排他性に関する研究―対人受容性と仲間集団の閉鎖性に着目して―
援助を希望した活動内容:
18th European Conference on Developmental Psychologyへの参加およびポスター発表
発表題目:Gender and age difference of interpersonal acceptability in children and adolescents.
日本発達心理学会第第29回大会への参加およびポスター発表
発表題目:児童期と青年期の友人関係における排他性に関する研究2-要因関係の男女差に着目して―
活動の成果:
上記の2つの学会に参加し,博士論文を構成する研究のうちの,研究4と研究5において得られた研究結果について発表しました。成果として,国内,外の研究者との意見交換を通して,自分の研究の課題を明らかにするとともに,今後の研究展開について様々な意見を得ることができました。研究4及び研究5は博士論文を構成する研究の中でも主軸となる研究であったため,多くの研究者と意見交換し,考えを深めることは博士論文を執筆する上で非常に有意義であったと感じています。このような貴重な機会を頂きました博士論文執筆援助事業に心より感謝申し上げます。

2016(平成28)年度

兪  幜蘭 / 臨床心理研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
中年期女性の夫婦間葛藤プロセスに関する研究―日本と韓国の比較を通して―
援助を希望した活動内容:
The 31st International Congress of Psychology(ICP2016)参加への交通費・滞在費。
発表題目:A Comparative study of married couples’ conflict resolution strategies and family structures in Japan and South Korea
活動の成果:
ICP2016では、ポスター発表を通して中年期女性の夫婦間葛藤解決方略と家族構造に関する議論や、博士論文の研究の中で用いた中年期女性の家族観・子ども観を測定する尺度の分析についての議論を中心に様々な視点から自分の研究を捉えることができた。特に、家族観・子ども観尺度の原著者の一人であり、上記の尺度を用い日韓比較研究を行った研究者と議論する機会にも恵まれ、有意義な意見交換を行い、博士論文の執筆に活かすことができた。このような貴重な機会をいただいた博士論文執筆援助事業に感謝いたします。

高橋 保幸 / 教育政策科学研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
我が国の職業資格の特質と整理・統合に関する研究―企業主導型職業教育訓練システムの解明に向けて―
援助を希望した活動内容:
比較職業教育・訓練研究会参加への交通費及び滞在費について(2016年7月2日(土)から2016年7月3日(日)まで名古屋大学にて開催)
発表題目:A Comparative Study of Relationship between Over-adaptation Tendency and Social Support in Japan and China
活動の成果:
比較職業教育・訓練研究会に出席することにより、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンそれぞれの職業教育訓練制度を学ぶと共に意見交換をすることができた。
今回の研究会で得たことを基に、さらに調査を行い博士論文に活かしていくようにしたい。
援助をいただきました博士論文執筆援助事業に心から感謝いたします。

王 暁臨 / 臨床心理研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
中学生の過剰適応に関する日中比較研究
援助を希望した活動内容:
The 31st International Congress of Psychology参加への交通費と滞在費
発表題目:A Comparative Study of Relationship between Over-adaptation Tendency and Social Support in Japan and China
活動の成果:
国際心理学術大会では、博士論文研究の一つを“A Comparative Study of Relationship between Over-adaptation Tendency and Social Support in Japan and China”というテーマで発表しました。海外の研究者と議論することを通して、比較研究に関する多くの示唆を得ることができましたことは、博士論文の執筆に大きな収穫となりました。
東北大学教育学部同窓会の博士論文執筆援助事業によりこのような貴重な経験が得られることを心よりお礼申し上げます。

2013(平成25)年度

浅井 継悟 / 臨床心理研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
青年期の過剰適応に関する臨床心理学的研究
援助を希望した活動内容:
日本心理臨床学会第32回秋季大会及びThe 7th conference of the International Academy of Family Psychology参加への交通費・滞在費。
発表題目:幼児期・児童期初期における主張的な情動表現の理解の発達―表現手段に着目して―
活動の成果:
日本心理臨床学会では、過剰適応研究に関する議論や、申請者が博士論文の研究の中でも用いた手法である日誌法についての議論を中心に有意義な意見交換を行うことができた。
The 7th conference of the International Academy of Family Psychologyでは、申請者の博士論文の研究の一つを“Over-adaptation and communication pattern- Comparison of junior high school students and university students-”というタイトルで発表した。また、向社会的行動の研究者と議論する機会にも恵まれ、過剰適応研究に向社会的行動の知見を利用できる可能性が示唆され、博士論文の執筆に活かすことができた。
このような貴重な機会をいただいた博士論文執筆援助事業に感謝いたします。

2012(平成24)年度

平川 久美子 / 人間発達研究コース・博士課程後期
論文テーマ:
幼児期・児童期における主張的な情動表現の発達に関する研究
援助を希望した活動内容:
日本教育心理学会第54回総会への参加及びポスター発表
発表題目:幼児期・児童期初期における主張的な情動表現の理解の発達―表現手段に着目して―
期間:2012年11月23日~25日
会場:琉球大学
活動の成果:
日本教育心理学会におけるポスター発表では、博士論文を構成する5つの研究のうちの研究4において得られた研究結果を発表しました。自分の研究の成果について他の研究者と議論することで、様々な視点から自分の研究を捉えることができたこと、教育心理学研究および発達心理学研究の近年の研究動向について情報を得ることができたことは、博士論文を執筆する上で非常に重要であったと感じています。東北大学教育学部同窓会の博士論文執筆援助事業によりこのような機会が得られたことに、心から感謝申し上げます。

2011(平成23)年度

李 智 / 成人継続教育論研究コース・博士課程後期3年
論文テーマ:
子どもの「居場所」と支援者の専門性―成人教育のアプローチから―
援助を希望した活動内容:
私は、「子どもの『居場所』と支援者の専門性―成人教育のアプローチから」をテーマに博士論文を執筆しました。これは、子どもの「居場所」に対する関心が高まるなかで、事業の制度化や運営主体の多元化が実践にもたらした影響を実証的に検討しつつ、支援者に求められる専門性を明らかにしたものです。
したがって、論文執筆にあたって、複数の先進事例を調査して、分析することが求められました。同窓会博士論文執筆援助事業により、そのなかの一つの事例―市民や子どもが主体につくる居場所型施設について調査を行いました。また、調査から得た知見を学会で発表し、2011年度の日本社会教育学会で報告をして、論文執筆のための貴重な意見を得ることができました。
活動の成果:
同窓会博士論文執筆援助事業により、調査や学会参加が進めやすくなりました。調査からは、子ども参加の運営方法や、市民的専門性の内実を解明することができました。また、学会や家庭から独立した居場所型施設の存在意義を明らかにしました。これは、現行の居場所施策を再考することに示唆的な結果となりました。心より感謝いたします。

申 育誠 / 教育政策科学研究コース・博士課程後期3年
研究テーマ:
日本統治時代の台湾初等教育における同化教育の研究
援助を希望した活動内容および活動の成果:
2012年1月12日から2月26日まで、海外調査を行った。本研究では一次資料の分析に着目し、分析することを主眼とする。訪問先は台湾における南部(高雄市)で、百年の歴史を持つ小学校である。例えば、成功小学校、鼓山小学校、旗津小学校などが挙げられる。また、北部(台北市)にある国立中央図書館臺灣分館、国立臺湾大学図書館などで資料収集を行った。ここでいただいた多くの一次資料は、博士論文の執筆に役に立てると思う。

李 熙馥 / 人間発達研究コース・博士課程後期3年
論文テーマ:
自閉症スペクトラム障害児におけるナラティブに関する研究
援助を希望した活動内容:
京都市において、自閉症スペクトラム障害児(以下、ASD児)と定型発達児(以下、TYP児)のナラティブのデータ収集を行うため、援助を希望した。
活動の成果:
京都市において、ASD児とTYP児のナラティブのデータを収集することができた。TYP児のナラティブデータに関しては、京都市内にある幼稚園や保育園にて調査の協力を得、計35名のデータを収集した。ASD児のナラティブデータは、A大学の発達相談に来談している児童に調査の協力を得、計18名のデータを収集した。収集されたナラティブのデータからASD児とTYP児におけるナラティブの特性について比較検討することができた。その一部について論文にまとめたものを、東北大学大学院教育学研究科研究年報第60集第1号(2011)に掲載した。


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