〔新モンゴル高等学校って何?〕
このページには、これまで新モンゴル高等学校を支援してくださったみなさまや、新モンゴル高等学校関係や以外に、谷口先生のページを訪れてのぞいてみたり、このイベントを友だちから聞いて初めて訪問した人も多いと思います。そんなみなさんに新モンゴル高等学校について簡単に説明しますね。
新モンゴル高等学校は、モンゴルにある「日本式」の私立の高等学校です。創始者であり、校長先生はジャンチブ・ガルバドラッハといいます。以降、ガルバドラッハ先生と呼びましょう。その前に、モンゴルの高等学校の事情を説明しておかなければなりません。
〔モンゴルの教育事情〕
モンゴルでは、2008年9月から小学校6-中学校3-高等学校2の11年制、そして2009年から小学校6-中学校3-高等学校3の、日本と同じ12年生になりました。でも、それ以前は10年制が普通だったのです。もし、高校生が「外国の大学に留学したい」としても、多くの国の学校は12年生ですから「あなたは学校で勉強した年限が足りないよ」と言われ、受験資格もなかったのです。
また、モンゴルは今でこそ発展しつつありますが、多くの学校では小学生から高校生までがひとつの学校で学ぶ「一般学校」が一般的で、学校が少なかったので、少なくても2回転、多くて3回転で授業が行われていました。つまり、高校生でも朝早くから来て、4時間ぐらい勉強し、お昼前には、「つぎのグループが来るから帰りなさい」と追い出されていたのです。これでは、充分な教育が受けられるはずもありません。これでは、国際的に通じる国づくりができないと考えたガルバドラッハ先生は、日本に学びに来た一介の留学生だったにも関わらず、朝から夕方まで授業のある日本式の高等学校づくりを思い立ちました。
〔新しい「日本式」高等学校の設立〕
この夢に賛同したのが、山形をはじめとする日本のみなさんで、ガルバドラッハ先生の学校を「せめて建物の柱1本だけでも支援したい」という思いで「柱一本の会」を設立し、ついに2000年10月、新モンゴル高等学校が誕生したのです。
ガルバドラッハ先生の目指した「日本式の高等学校」というのは、①1970年代の日本の高度経済成長を支えた科学・数学重視のカリキュラムをもつ学校、②制服やみんなで食べる給食、生徒の自主的なクラブ活動やボランティアなど、全人的な育成を目指した高等学校でした。
〔今の新モンゴル高等学校〕
設立当初は、「どうして2年生で卒業できるのに、もう1年学費を払って高校で勉強するのか?」と理解されないこともありましたが、その教育方針は着々と成果を上げ、現在は、日本を始めアメリカやヨーロッパに数多くの国費・私費留学生を通算で何百人も送り出す、モンゴルで最も成功した高等学校の一つに数えられています。
2000年10月に開校した新モンゴル高等学校は、日本の多くのみなさんに支えられて、10周年を迎えますが、その間に、地方から来る高校生への寮の設立、小学校や中学校の設立、体育館、図書館などの設備の充実など、つぎつぎと発展してきました。このたび、これまで支えてくださった日本のみなさんに、このイベントを通じて新モンゴル高等学校10年の成果をお披露目したいと思います。