アジア共同学位開発プロジェクトの発足に当たって

 東北大学大学院教育学研究科では、平成23年度から平成27年度までの5年計画で、概算要求特別経費として採択された「東アジアにおける国際的教育指導者共同学位プログラムの開発研究」を進めています。この研究の推進事業名が「アジア共同学位開発プロジェクト」(AJP:Asia Joint-degree Project)です。
 このプロジェクトでは、東アジアの教育課題に対応できる国際的視野を持った指導的人材の養成をするために、国際的教育指導者養成の共同学位創設を目指した研究拠点を形成し、質の高い共同学位プログラムを開発することを目指しています。より具体的には、東アジアを中心に据え、①その教育の現状を的確に分析できる教育研究者、②その教育課題を認識し、教育現場で教育実践を担うことができるリーダー教員、③世界の教育改革を視野に収め、政策立案に携わることのできる教育行政関係者、などの人材を養成しようとするものです。このような国際的教育指導者には、いわゆるKASPが求められます。すなわち、①教育に関する高度な専門的な知識(Knowledge)、②東アジアに対する理解と共感的態度(Attitude)、③教育研究技法と東アジアの言語の習得(Skill)、④世界に開かれた人的ネットワークの形成と情報発信(Practice)などの資質と能力が求められると考えられます。
 このような目的を達成するために、本プロジェクトでは、最初の3年間で、①専門性の向上を目指した国内外の教員による共同セミナーの開催、②東アジアの有力大学との国際交流プログラムに基づく教員・学生の派遣・受け入れ、③共同学位のプログラムの開発研究を進めていきます。さらに、事業の4年目、5年目に当たる平成26年度、27年度には共同学位プログラムを試行的に実施する計画を立てています。
 以上の目的をもって始まったプロジェクトは、東北大学大学院教育学研究科だけで遂行できるわけではありません。海外の大学との連携はもちろん、国内の大学との交流と情報交換、東北大学内における協同によって、実現できるものです。今後、様々な連携・協力・支援体制の構築を通して事業目標の達成を目指すとともに、事業終了後も発展し続けていける基盤を作り上げて行きたいと考えています。
 皆様の協力とご支援をよろしくお願いします。
 
 2015年4月

教育学研究科長  高橋 満

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